アラカン主婦のスピリチュアルよもやま話

「死ねば終わり」「死後は仏」「死ねばラクになる」なんてぜ〜んぶウソ!霊界と人間界の仕組みを知って人生を明るく生きるブログ。

餓鬼のようになった認知症の父

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90歳で亡くなった父は、アルツハイマー認知症にかかっていました。家族のこともわからなくなり、たまに私や兄を見ると不審者に見えるらしく、激しく怒って「出て行け!」と叫ぶことがありました。

その時の父は、目がすわって夜叉にでも取り憑かれたような表情になります。私にとって父は別世界に住む他人のように感じました。

父が認知症の症状が出始めてからは、心配だったので毎日母から電話で父の様子を聞いていました。

一番奇妙だったのは、あれほど小食だった父が爆食するようになったことです。父は生来胃が弱かったので、肉料理などの脂っこいものや甘いお菓子などは一切口にしませんでした。

父は外食はせず、食事は家で白米と野菜の煮物を少々食べるだけでした。

父は「そんなもんよく食えるな。見るだけで胸焼けする!」と言って、私たちがラーメンやハンバーグ、スパゲッティやケーキなどを食べるのを横目で見ていました。

ある日、「父さんが一日に5合のご飯を食べるようになった!」と母から悲鳴のような電話がありました。

ご飯だけではなく、バナナ一房、みかん一袋、せんべい一袋、天ぷら盛り合わせ、5個入りロールパン一袋など、父は台所をうろついて見つけ次第食べまくっているというのです。

夜中に起きて、冷蔵庫の中身を全部出して床にまき散らし、食べられるものは全部食べるというのです。

かじった形跡のある柚子が落ちていたこともあるそうです。みかんだと思って食べてみたけどまずくて捨てたのでしょう。

そのため母は父に見つからないよう必死に食料を隠したのですが、父は棚や引き出しを片っ端からあけて食べ物を見つけ出し、その場で全部食べてしまうのです。

また、父がご飯に醤油をドボドボとかけて食べるのを見た母は仰天し、父から醤油を取り上げたところ父は激怒。仕方なく母は水で薄めた醤油をテーブルに置いたそうです。醤油を薄めても父は全く気づかなかったそうです。

味も満腹感もわからずにただ食べるだけ。そんな姿を見るとゾッとして背筋が寒くなると母は言いました。私もそんな話を聞き、ただ呆然とするだけでした。こんなことが2年近く続き、母は途方に暮れていました。

あれほど食べることに興味がなかった父は、突然餓鬼のようになってしまったのです。空腹でもないのに際限なく食べ続けてしまう。味わう楽しみもなく、満足することもなく、ただひたすら食べ物を口に入れる機械のような行為。

脳が壊れると人間はこうなるということを私は思い知らされました。 

もしかしたら父は食べることで、無意識に心の中の何かを満たそうとしていたのかも知れません。

淋しさとか、不安とか、恐怖とか。

認知症の初期の頃、「さっき起きたらゴオオーーーッという音が頭の中に聞こえて、吸い込まれるようで、なんやら恐ろしくて恐ろしくて。。。」そう言いながら父が呆然として茶の間の入り口で突っ立っていたことがあります。

そんな恐怖を閉じ込めたまま、なすすべもなく脳が破壊されていくなんて。

人間ってつくづくはかなく、もろい存在だと思います。